とにかく1人でいることが怖くてたまりませんでした。
どこにいても誰かに見られているような気がしたし、誰と話していても誰かに聞かれている
ような気がしました。
そんな私をK助は必タヒで支えてくれて、出来るだけ一緒にいる時間を作ってくれていました。
そしていつものように友達の家に避難していたある日のことです。
最も恐れていたことが起きてしまいました。
「そいつ」は、友達の家にもやってきたのです。
深夜2時ちょうどに鳴りだしたチャイムは、最初はゆっくり、だんだんと激しく、最後には狂ったように鳴り続け、そしてぴったり10分後、嘘のように大人しくなりました。その10分間は私も友達も一言も喋らず、ただ黙って入口のドアを見続けていました。
私は限界に近づいていました。タヒにそうなほどの恐怖を感じていましたが、ここに至ってようやく、激しい怒りも覚えるようになっていました。
迷惑をかけた友達やK助に申し訳なく、また、私ばかりでなく周りの人にまで危害を与えた犯人が憎くてたまりませんでした。
嫌がらせを受けるようになってからずっと、私はこれまでの自分の行いを必タヒで思い返していたのですが、どれだけ考えても、これほど陰湿で激しい嫌がらせを受ける原因に思い当たらず、またたとえ自分の気付かないうちに原因を作っていたのだとしても、その報復にこんな陰湿な手を使う知り合いなど心当たりがありませんでした。
思い詰めた私はどんどんやつれていき、結果としてK助や友達にもさらに心配をかけてしまうことになりました。
完全に悪循環にはまってしまっていたのです。