同時にプライベートに関しては親御さんの判断に任せるが、仕事を続けるのであれば早急に配置転換させますと伝えた。
その日のうちに工場長とK子の所属する班の班長に連絡をして、K子の妊娠の事実が会社に報告されていない一連を報告した。
当然二人は呼び出し。その際に「ちゃんと仕事をして数をあげているのに難癖つけるな」と父親になる男が言った。
自分の妻子の命を何だと思っているんだと、お産を経験した母親として、K子の両親に同じことを言えるのか、私がK子の両親なら引きずってでも離婚させると強く感じた。
双方に厳重注意をしたうえでK子には日勤の軽作業を割り振ったが、社内の人間だけでなく実の両親も顔色を変えた重大さを、頭の配置がおかしな風になっていた二人には理解できなかったようだ。
H母が私の家に怒鳴り込んで来たり、二人から暴言を吐かれたりしたのはこの際どうでもいいので割愛。
二人はその後私がいるような会社で働けるかと辞めて行った。
結婚式の費用すら出せない40代の男が無職になる気かと思ったが、案の定出産費用も結婚生活もK子両親から出ていたそうだ。
その夫婦生活も長くは続かず、子連れでK子は実家に戻ったようだ。
実家に戻る前のK子が、子供を産んだものの父親のKは無職、H母からの嫁イビリと重なったことで夢から覚めたらしく、元同棲相手の私に詰め寄って来た。
どうしてHとH母があんな人たちだって教えてくれなかったんだと言われたが、誰の目から見てもわかることがあの当時のK子にわからなかっただけだ。
会社を辞めてすぐに、K子両親から離婚させようとしたが、頑なになるばかりでどうしようもないと聞いていた。
K子両親に連絡して引き取りにきてもらう事態になったこともあり、この一連でK子父が委縮してしまって、夫との距離がよそよそしくなった。
夫は夫でK子父から相談を受けることがあったようで、娘が実家に戻って来て以来、二言目には私夫婦に申し訳ないと言うそうで、飲み仲間が減った夫が寂しげにしている。