結婚から15年。3人の子供たちも手が掛からなくなってきたので働くことにした。
再就職先は高卒で勤めていた製造系の工場。
最近になって事業拡大し派遣作業員を募集していたから応募したら採用された。
なお、応募したのは単純に時給がよく、希望していた日勤のみの週休二日制だったから。
働きはじめて1年で社員登用試験に合格し、主任待遇となった。
その頃に敷地内の古い部門が次々と閉鎖され、そこで働いていた作業員が繁忙期となっている各部門に組み込まれた。
そのなかのひとつが、私が在籍している新設されて1年の部署だった。
私を含む多くの派遣が社員登用されていた。
受け入れた作業員のなかにHをはじめとする、私が以前働いていた当時のメンバーが少数だが残留していた。
15年以上経っていることで、当時はぺーぺーでも今は古株。気の合う人、合わない人はあったがお互いの近況を報告し合ったり、子供の進路の話をしたりとそれなりに楽しく働いていた。
そんななか、派遣から新人が入って来た。
18歳の女の子だった。
この子をK子とする。
K子は飲み込みが早く、控えめだが芯が強く若手のなかでは最有望株だった。
K子が入社して半年が過ぎたころ、本人が社員希望で入ってきたこともあり、社員試験を受ける際に必要な上司二人の推薦状を主任の私と工場長が作成しようとしていた矢先、このK子がHと付き合いはじめた。
それは個人の勝手なので、二人の年の差が親子でも本人たちがいいのなら外野が口をはさむことではないので静観していた。
ただし、仕事とプライベートの区別がついていない点に関しては指導をした。
結果としてそれが頓珍漢な解釈につながっていった。