それで、電話をつなげる音を聞くことさらに数分。
ガチャ!
消防B「●●消防です。排気管からホースを引いて自サツを図っている車がある、
ということですね?」
消防B「先の担当の方からも聞いてはいるのですが、まだはっきりしていません。」
「再度場所お教え願えますか?」
俺は本当にあせっていた。
真っ暗な中でだよ? 周りにAを除けばだれもいない、
っていうかいるのは生きているのかタヒんでいるのか、
タヒんでいるとして何日立っているのか、まったくわからない状態の車が1台。
怖いから車に背を向けながら一生懸命また消防Aにした話を繰り返す。
が、埒が明かないのはいっしょ。
そうこうしているうちに、フル回転の俺の頭は余計なことまで考え出す。
たとえば、背後振り返ったら車の中からのぞかれてたらどうしよう、とか、
今後ろの車の扉が突然開いたらどうしよう、とか。
とにかく、大の大人のくせしてビビりまくっているんだ。
俺「もしかして、先に警察の方に通報すれば、
GPSとかで場所わかるんですか?」
消防B「警察の方に連絡されても変わらないと思います…」
俺「とにかく県道〜〜号、★★峠を抜けてさらに何キロか進み、
支道状の道を登ったところなんです…」
やり取りすることさらに20分近く。
しびれを切らしたAが、
「ちょっと俺がバイクで戻って、何か目印になるものが無いか確認してくる!」
と言ってくれた。頼りになるじゃないか、A!
ナイス! A、頼む! と、Aを心強く送り出す俺。
俺「いま、一緒にいる奴が、バイクで戻って目印見てきてくれます!」
俺はそれがその場に俺1人ポツンと残されることになることを失念していた…
消防B「わかりました。それではその間にもう少し詳しいお話を聞きます」
車はいまエンジンは切れていますね?」
俺「はい。あ、でも、自分たちがきた2時間ほど前にはエンジンがかかっていました」
消防B「そうですか。車の車種、ナンバーはわかりますか?」
恐る恐る近づき、
俺「車種はエスティマ、色は淡いピンク、ナンバーは…」
消防B「有り難うございます。中に何人乗っていますか?」
えええええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?
それ、俺が見なきゃダメ!? 近づくのですらいやなのに…
絶対やだよ? 俺。どうすんのさ、ライトで照らされたタヒに顔でも見たら…
まして、何日放置されてるかもわからないし。エンジン切れるぐらいだろ?
しかも「何人」って!?w そうか、集団自サツかもしれないのか。
なおさら怖くなったわ。
『後ろから静かに近づいてホース外して下さい』
だったな・・・
それを聞いたとたん、躊躇なく運転席の窓を乱打しまくったが。