・翌日、頂いた名刺の事務所へ向かい、弁護士と打ち合わせした。
・リストの写しを渡し、内容証明を送ってもらう事とした。
・内容は取引先及び間男以外の社員は行為一回につき迷惑料として
十万とした。吉○で遊ぶよりは割高であろうという事で。
・ただ、相手の家庭に分からないような配慮をするようにも依頼した。
・間男に関してはまだ決めかねていたが、婚姻(浮気)期間×50万+娘の
養育費を月5万×12年+傷害の慰謝料130万で合計1500万を出すことにした。
・夏休み終了まであと8日、弁護士から間男以外の迷惑料の振込が完了
したとの連絡があった。残るは間男、あれからひっきりなしに俺や嫁の
携帯に連絡があったが無視していたため、弁護士に裁判だと恫喝したか
と思えば減額要請の泣き落としがあったりと不安定な状態だったらしい。
・そろそろ間男と直接対決か…と思っていた時、弁護士から間男の件
ですが…と言われ、一度嫁と事務所に来てくれと言われた。
・前日、間男と常務が弁護士事務所に来て、内容証明に従い現金を
持ってきたそうだ。その他に常務から見舞金として計2000万を置いて
いった。
・常務は退社して飛行機の距離の実家の家業を手伝うらしく、縁戚の
間男達も一緒に連れていくそうだ。
・間男は最後まで謝罪をせず消えていく事になりそうだが、常務からは
封書を預かった。中身は私が確認しておりますと弁護士から開封済みの
封書を渡された。
・中身は丁寧な謝罪と、元々嫁に対し好意を抱いていたこと、間男に嫁を
宛がわれた時に、いけない事だとは解っていたが元々の好意もあって
自分を止められなかった事、俺に対して罪悪感もあり優先的に昇進を
させていた事、間男に心酔して操られる嫁を憐れんでいた事、嫁が
間男からの呪縛から解放された時に安堵した事、でも関係が切れる
のが嫌で何度も嫁に連絡してしまった事、この件が俺に発覚し、嫁が
一人になった際、鰥夫である常務が引き取るつもりであった事、間男分
の金は常務が間男への借用書を書かせており常務側で処理するので
忌憚無く受け取ってほしい、最後に会社の事をよろしく頼む。
と書かれていた。
・この紙を嫁に見せるかを一瞬躊躇したが、見せる事にした。
・嫁は途中から涙を浮かべ、常務からの好意は気付いていた。だが
間男への服従心から無視していた。業務中や出張などでは一切触れて
来ず紳士的だった。間男の命令で抱かれようとしても、ほぼ断られて
いた事などを懐かしむように言った。
・嫁が落ち着くのを待ち席を立とうとすると、最後は私の番ですね。と
嫁が言った。
・そうだな。と返し、帰路に着いた。