ただ見た目にはわかりづらい(服に隠れる義手とか義足とか内耳にセットする補聴器とかでご想像ください)ため健常者に見えてただけで
「障害のある苦しみは知ってる、常連として店に通ってR子の一生懸命さとSくんに対する愛情深さをずっと目にしてきた。ただお話ししてR子さんがもう結婚なんて嫌だと言われるなら潔く引きます」と。
Nさんは穏やかで粘り強い人でした。
TさんR子さんSくんはゆっくりとNさんを受け入れ、申し込みの翌年にNさんとR子さんは結婚しました。
二人は今もご夫婦として暮らしています。
Sくんはきちんと可愛がられその下には妹ができたそうです。
妹もSくんも知的・身体にも問題のない健常者でK男母の嘲りは見当外れでした。
すっかりR子の前の結婚のことを忘れてたTさんが、K男の話を聞いたのは先々月だそうです。
見たのは店の常連のひとりで、国道沿いのプレハブ小屋と自販機のある小さな駐車場にいたとか。
山中でカーブが多いため、比較的ゆっくり車を走らせていたところ、薄汚れた格好でそのプレハブ小屋から何か小脇に抱えて出てきたところを見たと。
ところでそのプレハブ小屋は入口のガラスは目隠し黒塗り、壁に店名をペンキでなぐり書きの
「おもしろ館(仮名)」
田舎の国道沿いにひっそりと建つ、いかがわしいグッズやビデオが並べられ、奥で個室ビデオ鑑賞可能な…
まあそういう店だそうです。
気になった常連が隣県のK男家の近所にいる親戚に何げなく様子を聞いたところ、現況がわかったとかで話してくれたそうです。