あわてて駆けつけたTさんは、赤ん坊を連れ痩せた娘を抱きしめると、電話を借りた家人に礼を言い、そのままR子と赤ん坊を自宅に連れ帰りました。
そしてそのまま離婚になったといいます。
K男もK男母も今で言う上から目線で、むしろご近所に悪い噂を広めるような行動をしたとR子を非難するような口ぶりで、Tさんはだいぶ腹が立ったそうです。
今ほどネットが普及しておらず、法テラスなどもない時代のことで、慰謝料だの財産分与だのよく理解していないR子は、Tさんがついていてもすぐに口で丸め込まれ、ほんの雀の涙ほどしかもたされず、離婚届に印をついてしまったといいます。
ただR子の産んだ子の親権は、Tさんの監護込みでR子になったとか。
K男母もK男もそんなカタ〇の孫(子)はいらない、どうせ知恵遅れの金食い虫にしかならんからと、最後に会った時のK男母の言葉は「これでK男チャンにはもっとふさわしい嫁がいる!」だったとか。
やつれて笑顔もなくなったR子と赤ん坊を引き取り、Tさんは前にもまして働くようになりました。
時間をかけR子はゆっくりと傷を癒やしたようで、元通りではないけれど外に出、離婚が成立した頃には店の掃除や片付けをするようになり、昔のようにとはいかなかったけれど、ぎこちないながらも笑顔を見せるようになりました。
常連さん達も大半はいきさつを知って口だけのK男に憤り、R子と赤ん坊の様子を気にかけつつ店に通いました。
時は流れ、R子の赤ん坊(ちなみに男児、Sくん)が幼稚園にあがるかあがらないかの頃、ふたたびR子に結婚の話がもちこまれました。
さすがに用心深くなったTさんは、R子の障害と前の結婚のこと、連れ子になるSくんのことも添えて、後から邪険にするなら先に断ってくださいと伝えたそうです。
それはない、と今度の結婚を申し込んだ男性は言ったそうです(以下Nさん)
Nさんも身体の一部が欠損した、身体障害者だと打ち明けられたそうです・・・