つづき
帰りはなるべく急ブレーキを多用したが、
恥ずかしかったと後に証言する嫁はタイミングをつかんだので
「むにゅ」が激減したのを覚えている。
実家に戻ると直ぐにテントを張ったのだが、
その際に嫁が顔を出してきたので、
テンションが下がった時には渡すまいと思っていたハイティーン向けで
人気のあったアクセサリを渡した。
どんな風にテントの中で寝ているか嫁は興味あったのか、
色々質問してきたので夜中に来れば見せて教えてあげると下心を隠し
なるべく爽やかにいった。
恥ずかしそうな顔をしたが嫁は否定しなかった。
その後、○○一家に夕食を呼ばれた。
祖父と父は急遽東京で買った「鹿児島土産」の焼酎を飲みながらもっと話が
したそうだったが、翌朝早いという公式な理由を述べてそそくさとテントに戻った。
息を押し殺して待つこと15分ほど。懐中電灯が近付いてきた。
嫁が来たのだった。
ただし弟その2(当時小4)を連れて、
すっかり秘密基地と化したテントの中を弟その2が探検している時、
嫁と二人、ほんのちょっと時間が持てた。
俺がこんな綺麗な星空は東京で見れないというと
嫁は星空は見れなくなっても良いから東京に行きたいと言った。
俺は高校卒業したら来れば良いじゃないかとかなり無責任に言った。
嫁は今もその言葉はプロポーズの意味でとらえるのが普通の感覚であると
一貫して主張している。
弟その2がテントから出てきたので嫁と二人の会話はお終いになり、
ここで寝たいという弟その2を引き摺るように嫁は帰って行った。
翌朝は夜明けと同時に起きテントを畳み、
好青年として挨拶に行くと祖父とか祖母は既に起きていて朝食代わりのお握りとかを貰った。
ふと視線を感じたので見上げると嫁が2階の窓から顔を出していた。
好青年として気付かぬふりをしてエンジンをかけ、
もう一度見上げると嫁の姿はなかった。
盛大に手を振っていたのなら分るのだが、
姿がない事で将来嫁と結婚するかもしれんな、と漠然と思った。
よく考えればかなりキモい発想である。
つづく
面白いw
いつもなら過去の嫁可愛いがデフォだがデブとかちょっと新しい
つづき、
予定ではこの後5日ほど回ってフェリーで帰るはずだったのだが、
偶然にも暴風雨が近付いていたのだった。
それでフェリーが出なくなり後期の開始に間に合わなくなると不味いので
早く切り上げる事にした。
それでなんとなく嫁のいる町経由のコースで帰っていると、
かなり雨脚が強くなったので普段はお寺とか神社を探すのだが、
嫁の家の納屋にでも泊めて貰おうと思い立ち寄ることにした。
また来年と言って別れた奴が3日後の夜九時過ぎに顔を出したのだから
嫁実家一同は驚いたと思う。
だが納屋で良いといっても承知しないので泊めて貰う事にした。
この時、俺は嫁と不自然な位に何度も見つめあってしまったのだが、
一言も話さなかった、
ただ嫁を含め全員がどうやら俺が嫁の事を好きらしいと思ったそうだ。
その夜は何もなく客間に寝て翌朝朝食後好青年の挨拶をして別れた、
不思議な事に嫁は朝食時に顔を出さなかった。
恥ずかしかったと後から教えてくれた。
つづく、