アケミの親は、地元ではそれなりのいい家庭で、政治家もよく出入りしている家だった
夜22時すぎたら駅から家まで歩いて10分なのにタクシーに乗らなければならないという非常に厳しい家庭でもあった
だからアケミにも甘やかされているところがあって、学歴もお嬢様中学→お嬢様高校→都内有名私大、という感じで完全に王道を進んできて苦労をした感じでもなかっ
だから結婚を反対されても必死にアケミ両親に説得に行くときも協力をしてくれなかった
アケミと付き合ったきっかけは、大学卒業後何年かたってから仲の良かったメンバーで集まろうとなったときに、偶然お互いが参加した時
帰り際にアケミから恋愛相談されて「今XXさんに言い寄られてるんですが」という感じで、晩飯食べながら恋愛相談受けてた
俺はアケミには興味がなかったから「君の好きにするといい」というスタンスで終わったんだが、帰り際に「今度一緒に遊びに行って欲しい」と言われた
まあ告白みたいなもんだ
そこから何度かデートしてつきあうことになった
駆け落ちとかしないの?
ホント彼女の親見る目あるわ
ヘタレ杉る
だからアケミにとっては初めての彼氏は、自分が好きだった人を捕まえることが出来たという幸せなものだった
俺と付き合っている時までは、恋愛に失敗したことすらない
お嬢様育ちだから、これまでの人生で苦境に陥ったこともなければ挫折を味わったことすら無い
だから、今回の両親による結婚反対も、何ら対策をしていなかった
協力をお願いしても、「大丈夫だよー俺くんならwww」って感じでなんとかなるという考え方だった
でも、何度もアケミ両親に話にいっても埒が明かなくなったとき
「なんでうまく説得できないの?俺くんマジで才能ないね」
と言われた
その時に俺の中の悪魔が動き出した
貧乏な家の娘のほうがダメージ大だったでしょ
完全お嬢様育ちだったアケミは、裕福な家庭に生まれて失敗も挫折もしたことがない
俺もそれなりに裕福な家庭に育っていたが、失敗したことも挫折したことは何度もある
仕事が大変で本当に苦境に陥ったことも何度かあった
結婚はお互いのことだから協力しあっていくのがあたりまえだろと思っていた俺は、
アケミが両親説得に関して全く協力してくれないことに対して苛立っていた
アケミのことを「この女どういうつもりだ 何も考えてないのか 俺ばかりがなぜ苦労をしなければならん」と思い出した
そして俺はこれで最後だと思ってアケミ両親に再度挨拶にいった