俺はそのままにしておいた
どうせシェルターにいるユイは携帯電話が使えないから連絡は来ないし
面会にも行かなかった
一ヶ月くらいたってユイから着信があった
恐る恐る電話に出ると、会いたいと言っていた
俺は別れ話をしようと思い会うことにした
久々に会うユイは、やはり綺麗だった
時々作り笑いだとは分かっていたが笑っていた
ユイ父は発見されて警察がうまいこと対処したらしい
ユイは、切り出した
俺君、私と別れてもいいんだよ
私みたいな家柄の女なんてやめた方がいいし、俺君まだ30前半だし良い人見つかるから
と逆に別れ話をされた
そして、ユイは話し始めた
私、小さいころから貧乏でお父さんがたくさん借金作っちゃってお母さんが必タヒに仕事しててお兄ちゃんと二人でいつもお腹空かせてたの
お兄ちゃんが近所の友だちの家に頭下げてご飯ご馳走になってたこともあるんだよ
お父さんは賭け遊び三昧だったしお母さんは仕事三昧だったの
それにね、私のお兄ちゃんは中卒なの
お金がなくて、私をせめて高校まで卒業させようと働いてくれたの
おかしい家庭環境でしょ?
普通の女性じゃなくてゴメンなさい
と語ってユイは深々と頭を下げた
ユイは、ハイこれから私と俺君は恋人じゃなくなりました!
と笑顔で言った
そして、最後だから一つだけ相談を聞いて欲しいと言った
俺は黙って頷いた
俺は迷っていたからだ
ユイは元々、性格は良かった
顔も良いし仕事も高卒にも関わらず俺より収入があった
デートは毎回割り勘だったし
料理は俺のオカンより上手だった
情が生まれてたんだと思う
ユイの悩みは意外にも友人関係だった
ユイ兄がタヒんですぐ、ユイの親友から電話があったそうだ
ユイは父親のストーカーに悩まされていて、なかなか電話に出れなかったらしい
すると親友ブチ切れして
いきなり縁を切ると言ってきたらしい
俺的にはハテナなんだが、女友達ってそういうもんなの?