約半年の闘病生活。
金銭的にもさることながら、妻の体調がどんどん変わっていくのが分かって、それを見ているのが怖かった。
最初は自力で歩けたのに、いつしか杖がないと歩けなくなっていて、それでも、立ち上がれたうちはまだ良くて、腕の骨を折ってしまって(骨転移からくる骨折)からは、ソファに座れば自力で立ち上がれなくなり、娘の介助を受けてようやく立ち上がっていた。
妻もそんな自分の体調に気付いてきたのか、ある時、ホームセンターに一緒に行って、春咲きの花の球根とか前から欲しがっていた木の苗を購入したんだ。
その球根を自らプランターとかに植えて、嬉しそうに「来年の春が楽しみになった」って言っていた。
実を言えば、病気宣告の時、やはり妻のいないところで医者には年単位はもたないって言われていたから、その発言はグサっときた。
影で娘が泣いていたのも見ている。辛かったろうと思う。
489: 1/3 2013/05/03(金) 20:48:39.32
最後の3ヵ月は文字通り病院のベッドに寝たきりで、毎日顔を合わせるのは正直つらかった。でも、最後まで会話だけも出来たのは救いだった。
妻の49日が終わってから、妻の借金の整理に乗り出した。
放棄はせず、俺が背負うことにした。
とりあえず、妻が借入とかしていたカード会社に明細の送付をお願いして、それがつい先日届いたんだ。
明細見て愕然とした。
妻、確かに借金はしていたけど、自分のもの…例えば、服飾とか宝石とか化粧品とか、そういうのは一切買っていなかった。
買っていたのは、食材とか生活必要雑貨、そういうのばかり。
さすがに品名は書かれていなかったけど、カード使った店の名前で、そういうのに疎い俺にでも分かった。
妻には生活費を渡していたつもりだった。妻もパートで働いていたし、娘も正社員だった(妻の病気発覚後、会社を辞めて時間の都合のつくということでアルバイトになったが)から、何でこんなにカードを使っていたのか分からなかった。
狼狽えた俺を見ていた娘が、本当に気付かなかったの?って聞いてきた。
びっくりして娘を見たら、娘、泣いてた。
それから、一気に言われた。
「お母さんが、金銭的に苦しんでいたって、本当に気付かなかったの?本当に、何も不満も抱いていなかったと思う?
新聞配達やってその後〇〇(店の名前)で働いて、帰ってきて眠くてうつらうつらしていたらあんたに不愉快そうな顔で睨まれて、
寝てるヒマあるなら掃除しろって言われたって、いつも疲れた顔で言ってた。一日中家にいるなら(俺は自宅で仕事している)、あんたがやればいいじゃない。何でやらなかったの?
居間で早く寝れば寝たで無言の圧力が怖くてしっかり眠れなかったって言ってた。お母さんが何で居間で眠るようになったか知ってる?配達の仕事のせいもあったけど、あんたと一緒に寝るのが嫌だって言ってたんだよ。先に寝るのが怖いって。
今月はこれだけしか貰えなかったって、いつも愚痴るように言われて、その金額じゃ確かに生活回らないなって、私にも分かってた。だから、私が渡した分も自分の収入も全然自分のために使わないで家の為に使っていたんじゃない。それすら知らなかったの?!」