引っ越しが終わって「あなた達との縁はこれまでです。」と突然の敬語調に俺らオドオドしてた。
息子は口下手なので、この日のために書いたであろう手紙を朗読して渡してくれた。
言い分をまとめると
・ろくな人生じゃなかった、ろくな青春じゃなかった
・友達はいない、彼女もいない、職もつくのに苦労した。全ては人とまともに話せないせい
・それはなぜ?転勤族で交友関係をうまく築けなかったから。自分は人との話し方、人との距離のとり方、友達同士のノリ、それら全てを知らない。知る機会さえあなた達に奪われた
・高校、大学って一人でいて、あなた達にはそれが居心地良さそうに写ったかもしれないけれど、そういった友達の存在を思春期の子供が諦めていたと思う?それでも友達を作る勇気がなかったんだよ?長く友達がいなかったせいで、人とまともに話せなかったんだよ?
・生きていたら理不尽なことはいくらでもやってくる、自分より不遇な人だって世の中にはいる、それは理解できる。それでも子供の気持ちを蔑ろにして引っ越すことが親のすること?
・あなた達にも親の都合というものがあったんだろうし、今自分が言っていることは(自分がこんな性格になってしまったことを)あなた達のせいにして逃げているだけの責任転嫁にすぎない、それもわかっている。
・だからもう、誰とも関わりたくない、親であるあなた達とも。これから先は仕事先の人間関係だけで十分。就職先に公務員を選んだのも、人間関係が限定されるから。
・今この瞬間から他人同士。さようなら。
・なお、今日までに自分にかかった養育費・教育費は今すぐにとはいえませんが、相当額が貯まり次第振り込みますので、お待ちください。
こんな感じに多少要約したけど、ほぼ同じことを言いました。
携帯も解約されていたし、残った息子の部屋もアルバムや学校で使用したノートなど、生活感のあるものは全てなくなっていた。