651: 恋人は名無しさん 2012/07/07(土) 10:27:23.57 ID:6wFMIx+F0
俺と奴がほぼ同時に立ち上がった時、俺は誰かに後ろから押さえつけられた。同級生数人が俺を必タヒに止めようとしていた。
「落ち着け!落ち着けって!ケンカは良くない!」みたいな事を言ってたっけ。
内心、「あ~、またか……」と。
すぐに人の喧嘩に口はさんでむやみに止めてくる奴、必ずいるよね。
ここで話は少し横道にそれるけど、俺は昔からケンカばかりしていた。別に不良だったとか、ケンカが強かった、というわけではない。今思うと正義感が強過ぎただけ。
ただ昔からケンカになると必ず止めにはいる輩がいた。なぐり合いに至る経緯を知らないくせに、単にケンカは良くない、という理由だけで。
男同士の喧嘩なんて、中途半端に終わらせて良い訳がないのに。
俺は喧嘩の相手よりも、寧ろ無責任に喧嘩を止めてくる奴の方が嫌いだった。
653: 恋人は名無しさん 2012/07/07(土) 10:29:34.35 ID:Bs9quQuE0
大乱闘になったか 支援
655: 恋人は名無しさん 2012/07/07(土) 10:37:18.88 ID:0qg3i9foO
爽快な結末を期待し支援
656: 恋人は名無しさん 2012/07/07(土) 11:06:28.24 ID:6wFMIx+F0
この時も羽交い締めとまでは言わないが、三人位に抑えられた。後輩の方は一人が抑制してるだけ。俺がなぐりかかっていったかのような構図。馬鹿馬鹿しい。
俺は奴らをゆっくりと振り払うと大人しく、務めて冷静に言った。
「後輩、こいつらが喧嘩は良くないって言うから辞めたよ。だからこのまま警察行ってくるわ、お前になぐられましたって。お前、前科ついて退学にもなるだろうな、残念だけど」
ポカーンとする後輩。いやそこにいた全員かな。
俺が学食を後にしようとすると、俺を止めた同級生が駆け寄って来た。
「いや……ちょっと警察はまずくないか?そこまでする必要は……」
「お前、なんで途中でとめたんだよ?なんでああなったか、お前事情知ってたのか?どうせ中途半端な正義感からなんだろ?そういうの、偽善っていうんだよ。お前のせいで後輩は逮捕される事になるんだよ。」
みるみる青ざめる同級生。
学食を出て玄関までのホールに出た時、後輩が駆け寄って来て、「すいませんでした……」と頭を下げてきた。
「遅いよ、もう。後で警察来るだろうから宜しく。あとお前捕まるのはあいつらのせいだからな。俺を憎むなよ」
尚も追いすがって来たので言ってやった。
「じゃあ全部脱いで土下座しろ。そしたら許してやる」
後輩、凄い表情してゆっくり土下座した。周りには多分50人位は居たと思う。当然彼女も。
「脱いでねえじゃん」
「すいません……それは勘弁して下さい……」
後輩の声が震えていた。