彼は眼下の町並みを指差し
「あそこ、あの交差点の角の本屋の隣に弁当屋があるでしょ?」
「○っかほか亭?」
「そうそう、僕週に2日はあそこでバイトしてるんだw」
「( ゚д゚)ポカーン …」
「オーナーに内緒で好きなお弁当あげるから遊びに来てよ」
「( ゚д゚)ポカーン … 医者じゃないの?」
「ドクターじゃないよ(`・ω・´)」
「え?だって白衣着てるじゃん!看護婦さん的な仕事?」
「違うよ、僕は検温だけのバイトw」
「(゚Д゚)ハァ?」
冗談かと思って問い詰めたけど、彼は本当にバイトだった。
勝手に内科医だと思い込んでいたけど、確かに彼には検温しかされてない。
白衣着て毎日患者さんのベッドを回って検温。
首に掛けてる聴診器は、先生が「とりあえず掛けとけ」だって。
検温のバイトと弁当屋のバイトを掛け持ちする33歳のただのフリーターだった。