出てきたのは色白の二十歳くらいのひ弱い男。油断は禁物と、あえて穏やかに話し始めた。
｢隣の部屋の者です。夜中の声の事で…｣
一通り説明したんだが、相手から帰ってきた言葉は｢私は叫んでません。ちょっとわかりません｣だった。
まさか寝言て大絶叫をしているのか。俺は一度自分自信の声を聞かせてやろうと思い、声を録音する事にした。
その日も午前３時くらいから絶叫が。待機してた俺は、隣室のドアポストにＩＣレコーダーを突っ込んで録音した。

部屋に帰って聞いてみた。ただ絶叫してるだけかと思ったら、ちゃんと言葉が入ってた。
｢出てけーぇぇええ！うわあああああ。出てけよおおお｣
ちょっと怖くなったけど、それを持って隣に行った。で録音を聞かせてみると、
｢私こんな事言ってたんですか。この前はとぼけたんですが、この部屋に来てから毎晩同じ夢を見るんです。女の人がこの部屋に立ってて、ずっと出てけ出てけと叫ぶんです。私みたいに｣

まさかと思い、管理人のおばちゃんを問い詰めたら、隣の男が夢で見た女と似た特徴の女が、その部屋でジサツしたそうです。
で、その後の最初の入居がその叫ぶ男でした。
私はすぐに引っ越しましたが、なぜかその男は住み続けると言ってました。
終

女＜おまえ　出てけ
男＜おまえこそ　出てけ
私＜じゃぁ私が　出ていく
女・男＜どうぞどうぞ