その嬢、専門行ながら夜の店で働いててね
その専門が俺の仕事関係でもあるから、そこでまた意気投合というか レポートとか相談に乗ってあげてた
専門行ながら、レポートも頑張る嬢
家で掃除、洗濯、食事の支度しかしない妻
妻に対して、不満というか嫌悪というかそういうものが芽生えてしまった
秋に嬢の誕生日があった
嬢のためにいろいろしてあげたくて、数十万するバッグをプレゼントした
もちろんバースデーイベントにも行ったw 花もww
妻に花なんて贈ったことないけどな、嬢は素直に喜んでくれた
結果的に誕生日だけで30万近く使ったんじゃないかな
妻にプレゼントをあげたときのことを思い出した
妻に似合うと思って選んだアクセサリー
奮発して十万近く出したのに、妻はあまり嬉しそうじゃなかった
あいつは俺からのプレゼントなんてちっとも喜びはしない
それに比べて嬢はどうだ、あんなに素直に喜んでくれている
妻になにか買うぐらいなら、嬢の為に使いたい
そう思うようになった
そう思ったら、俺の給料を妻に預けるのが馬鹿らしくなった
妻が仕事を辞めたら俺の給料を預けてやりくりする計画だったのを、生活費しか渡さないことにした
そうしたほうが自分が自由に使えるお金も増えるしな
妻はそれでも文句を言わなかったし、美容院も行ってるし、生活費は足りてるもんだと思ってた
俺は相変わらず嬢に飯を御馳走したり、店に行ったり、ラインしたりの生活
妻は何か気付いた様子だったけど、何も言ってこなかった
その代わりっていうのも変だが、ダイエットをはじめて付き合い始めの体重になっていた妻
でもそんな妻を見ても、内心ちょっと馬鹿にしていた
どうせ痩せたってそのレベルだろw 嬢見習えよwwって
妻は気遣いのできる人だった
必要なときにそっと必要なものを差し出してくるような人
いい年して常識がない俺を、怒るわけでもなく、こうしたほうがいいよってアドバイスくれる
男を立ててくれるタイプって言えばいいのかな
高卒なんだけど、ちゃんと新聞も読んでニュースも見てて、学歴コンプからか資格は無駄に持ってたな
妻が食卓で話すニュースの話題が、頭に残って取引先の人との会話で恥をかかなかったことなんて何回もある
でも俺はその時、あいつは寄生虫だ、ぐらいに思っていた