旦那は電話に出て
「どちらのBさんですか?」
「僕はあなたを知りません」
と、最初は丁寧な言葉使いで話をしていました。
が、だんだん話が通じない事にイライラしたのか、
「来たければ来ればいい!」
「ここに来られても俺は一向に困らん!」
と語気が荒くなってきました。
あれよあれよという間に旦那は家の住所を相手に教えてしまいました。
旦那の話を聞くと、Bは昨日、葉書に書いた住所に行ったが、誰も
住んでいなかった、他に女ができたから逃げたんでしょう?とわめいて
いたと言います。
相手をうちにまで呼ぶという事は、本当に知らない人なんだと思いました。
じゃあ、Bって一体誰なんだろう?と旦那と2人で話し合っていました。
電話を切ってから30分後、チャイムが鳴りました。
私は旦那と2人して玄関に行きました。
ドアを開けると、20代後半くらいの女性がすごい目つきでこっちを睨んでいました。
「あんたが奥さん??Aさんはどこよっ!!」
と、ドアを開けるとすぐに私に掴み掛かろうとしました。
すぐさま彼女は旦那に取り押さえられ、それでも
「Aさん出しなさいよっっ!!」
とわめいています。
私はきょとんとした顔をしていたと思います。
噛み付かんばかりの勢いの彼女に、私は
「その人がAなんだけど・・・」
と、旦那を指差しました。
彼女の動きが一瞬止まり、旦那を見ました。
旦那も
「オレがAだけど。あんた、誰?」
と言っています。
5秒間くらい彼女は固まっていました。
そして彼女はそれまでより更に目を吊り上げ、
「ふざけるのも大概にしてよ!そんな嘘付く前に、Aさん連れて来いって
言ってんのよ!」
とまたわめきはじめました。