521: 名無しさんといつまでも一緒 2014/11/20(木) 14:01:40.09
愕然とした。
それほどまで、やせ細ってしまうまで
彼女は痛みと苦痛をムネのなかに。。。
僕は思わず手を伸ばして、妻の髪に触れていた。
そこに息子がやってきた。
「ダディー、マミーを抱っこして『いってらっしゃい』する時間だよ!」
息子には、父親が母親を毎朝抱き上げるこの光景を目にすることが
すでに大切な日常の一場面となっているようだった。
妻は、そんな息子にむかって「おいで」と優しく手招きしたかと思うと
彼を力いっぱいぎゅっと抱きしめた。
僕は思わず目をそらした。
そうしないと、最後の最後で、気が変わってしまいそうだったからだ!
522: 名無しさんといつまでも一緒 2014/11/20(木) 14:03:07.46
僕はだまって、いつものように妻を腕に抱き上げ
寝室から、リビング、そして玄関口へと
彼女を運んだ。
妻はただそっと、僕の首に腕を回していた。
そんな彼女を、気づいたら強くグッと抱きしめていた。
そうまるで、結婚したあの日の僕のように。。。
彼女の、それはそれは軽くなった体を腕のなかに感じながら
僕は例えようのない悲しみを覚えていた。