初めの一ページにドーンと、嫁に嫌われないための○箇条が。
続きには他にも生活の些細な知恵などが数ページに渡って書かれていた。
昔の知識過ぎて今は解釈が違うものは欄外に注釈がしてある。
和紙のページ以降は和紙に書いていない生活の役立つ豆知識っぽいことがノートに直接綴られていた。
緊張がどっと解けてふと廊下を見ると、トイレから戻ったトメさんが私の方を部屋の入り口から心配そうに見守ってる。
「あの…嫁子ちゃん、私その通りに出来てるかしら…?」
もちろんトメさん大好きですと伝えるとすごくほっとした顔された。
詳しく話を聞いてみると、トメさんは結婚した当初に大トメさんからこのノートを受け取ったらしい。
大トメさんはそのまたトメさんから、この貼ってある和紙を受け取ったんだとか。
この和紙を書いた大トメさんのトメさんは嫁時代、それはもうねちねちねちねちといびられていたんだとか。
時代も時代なだけに逆らうことも出来ない当時嫁さんが、鬱憤を抑えるために書いたんだという。
実際にはなぐられたりなどのボウリョク沙汰は一切なかったと聞いている。
そして時代は移り大トメさんが嫁に来た時、ああはなるまいと昔書いた紙を引っ張り出して大トメさんに渡して
「私がここに書いてあることをしたら叱ってちょうだい」
と話した。