長男を出産して退院した頃、近距離別居のトメさんがノートを私に差し出して
「嫁子ちゃん、コレ。○○家に伝わる心得なの。目を通しておいて」
と言ってきた。
優しくてちょっと天然で五十代なのに色々可愛いかなりの良トメさんだったし、長女出産時には大はしゃぎで孫フィーバー(迷惑とかはほぼ無し)してくれたから、すわ跡取り男孫フィーバーで嫁イビリ開始かと脳内が修羅場になって完全に固まってしまった。
神妙な顔をしてテーブルにノートを置いてそそくさとトイレに行ってしまうから、恐る恐る開いてみる。
ノートのページに古いメモ帳、というか和紙みたいなものが貼られていて、旧漢字を交えた達筆のギリギリ読める筆文字があった。
(大まかに意訳)
一つ、嫁のした事に逐一文句を付けると、息子にも嫌われる
一つ、嫁がしていない事も嫁のせいにして苛めぬくと、息子になぐられる
一つ、嫁の粗を探して嗅ぎ回り、付き纏うと旦那になぐられる
一つ、…