優秀な派遣社員K君が珍しく寝坊。俺「電話かけた時はどこにいたの?」K君『…マンガ喫茶にいました…もう数ヶ月前からそこから通ってて…』俺ら「えっ!?」→実は…

少し気になったので聞いた所、「荷物がちょっと多いので…すみません」と申し訳なさそうな感じに謝っていた。
持ち込むのが難しいなら近所のコインロッカーにでも預けます、とも言ったが、いや個人的にちょっと気になっただけだから気にしないでと言った。
IT系は良くも悪くも少し変わり者な人間が多いので、K君もそういう一人なんだなとしか思わなかった。

K君は勤怠は真面目だったが、一度だけ始業時間を過ぎても来ていない事があった。
まずK君の所属会社(A社)に連絡してみたが連絡が取れず、仕方無く(あまり良くない事だが)緊急時の連絡用として
聞いていたK君の個人の電話番号に連絡した。
K君は電話で起きた様で、「すみません、すぐに会社に向かいます!」と言った。
何故か受話器の向こうは少し騒がしく、有線の様なBGMがかすかに聞こえていた。

程なくして、K君は慌てた様子で出社してきた。
電話してから20分足らずだったので、「電車で寝過ごしちゃった?」「近くの公園で寝てたの?」と半ば冗談ぽく聞いたら
K君は「……いえ、それは……」と言ったきり、下を向いて黙りこくってしまった。
その様子を見て何か嫌な予感がした。上司も同じだった様で、金曜日だった事もあり「おごるから」と
普段は酒に弱く飲めないから、という理由で飲み会への参加は断っていたK君を半ば無理矢理居酒屋に連れて行った。
上司、K君、俺、同僚の4人で安い居酒屋に入り、乾杯(K君はウーロン茶)をした後、他愛ない世間話や仕事の話をしながら、
それとなく今日の遅刻の理由や、電話してからすぐに出社してきたけど、電話かけた時は何処にいたのかを聞いた。

K君によると、近所のマンガ喫茶にいたという。
もう○ヶ月前(K君がスーツケースを持ち込み始めた頃)から、平日はマンガ喫茶から現場(弊社)に通っていると。
今日みたいな日は節約の為に、深夜までやっているファミレスやマックなどで夜を明かす事もあると言った。
「え?どうして!?お金無いの!?」
と上司が失礼な事を聞いていたが、K君はあっさりと肯定した。
「はい……家賃がどうしても、払えなくなって……」
と言った。

利用者100万人

926: 名無しさん@おーぷん 22/04/26(火) 10:48:53 ID:R2.me.L1

K君は以前勤務していたIT会社が激務で、体を壊して半年近く療養した後、A社に再就職したという。
そしてA社の社員として弊社に派遣されて来ていたのだが、手取りは何と13万ちょっとで、交通費も無いらしい。
就職した当初はもうちょっとマシだったらしいが、勤務態度不良、スキル不足を理由に、手当を減らされたり
交通費ものらりくらりで結局支給された事が無いと。

K君は○○県から都内の弊社に通勤していたが、家賃と交通費だけで生活費がマイナスとなってしまう様になり
また自社にも度々自社案件の手伝いとして呼び出され、移動費も実費なので馬鹿にならず、マンガ喫茶で寝泊まりした方が
まだマシだと言う事で、家を引き払って小さいスーツケース一つで生活するマンガ喫茶難民となってしまったという。

俺達は驚いた。K君がスキル不足だと思った事は一度も無い。上司も勿論悪い様な事をA社に報告はしていないと否定していた。
正確な数字はさすがに教えては貰えなかったが、弊社の他の案件の予算から考えると、A社にはK君の人件費として100万以上の単価を支払っていた。
(恐らく120万〜150万の間ぐらいだったと思う)
勿論単価=K君の給料では無い事は分かっているが、A社は弊社からしたら一次請けの会社だし、多重派遣状態になっている訳でも無い。
どう考えても手取り13万弱の待遇は酷すぎた。

ただ、勤務態度不良に関しては、弊社がA社にクレームを付けた事が原因だと、K君はA社の担当営業に言われたらしい。
大人しく人優しそうなK君には珍しく、少し怒った様な、恨みがましい調子で俺達に言った。
その事については、我々にも心当たりがあった。
と言ってもK君が問題では無くA社に問題があったのだが。

K君も言っていた「自社開発案件」を理由に、一時期K君がほぼ定時帰り強制、時には15時ぐらいに早抜けする時も度々あった。
その時に弊社の案件も立て込んでいた事もあり、上司がA社の担当に対し
「(弊社の案件に)アサインさせている以上、ウチの仕事に集中させて貰わなければ困る」という要望を出した事があった。
弊社の認識としては、A社のやり方に対しクレームを出したつもりだったのだが、それがK君の失態となっているとは思わなかった。
考えが甘かった、と言われればそれまでなのだが……

以来、K君がA社の案件を理由に早抜けする事は減ったのだが、それが原因で更に手当をカットされて、
マンガ喫茶難民となるとまでは思わなかった。申し訳無くK君には心底から謝罪した。

以降、K君を何とかしてA社から抜けさせて、弊社で雇用出来ないかと上司と度々作戦会議をしていた。
K君にも直接打診はしており、彼も前向きには検討していた……様に見えた……と思いたい。

が、大きな問題がいくつかあった。

コメントしてね

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

お名前 *