こんな事は今の土地での知人友人にも相談出来ず、母に相談してみた。
母は言った。
「あの事件の事はもう忘れた方が良い。
真実がどうであれ、夫君が犯人であろうがなかろうが今は変わらないのだから」
私は怒鳴ってしまった。電話を切ってから泣き崩れた。
私達にとって、あの事件は終わっていない。
今まで抑えて来た憎しみが募って仕方が無い。
私はあの女の居場所までは知らない。でも連絡は取らない方が良いのかも知れない。
ただただ、過去の傷を抉られて、苦しい。けど今は幸せに生きている娘にもこんな事は言えない。
一人ぼっちの家でどうしようもない憎悪を抱え込み苦しんでいる。
時間は何も解決しなかった。