さすがに住人が辟易して、前述の小さな子がいるご家族が一度警察に通報したが、警察が来るなり借りてきたゴミムシのように大人しくなり
「僕はただ、注意をしただけですよ」と穏やかに話し出したので警察も「ご近所付き合いは穏便にしてください」と言って帰ってしまった。
警察が帰るなりまた普通のゴミムシに戻り「次警察にいいやがったら通報者を殴るからな」と怒鳴りつけた。
その一週間後、部屋で本を読んでいたらドンドンと扉を叩く音がした。
扉を開けると奴がいた。
「(うわあ…きたか)」と絶望感が湧いてきた。
ゴミムシは顔を合わせるなり「お前のとこのネコがまた引っ掻いた! 慰謝料を払え! さもないとお前を殴る!」と言ってきたのでぶちギレそうになったが、ぶちギレしたらネコや他の人にも危害が及びそうなので耐えた。
だんだんエスカレートして「おい、お前じゃ話にならないからお前の旦那を出せ!」と言ってきたとき、ふと名案が浮かんだ。
「でも主人は出先にいまして」というと「携帯で呼べ!」と怒鳴りつけてきたので、「わかりました。すぐ呼びます」
と泣き真似をして部屋に引っ込み、ネコの安全を確保し電話の子機で番号をプッシュして電話をかけ、でた相手に事情を説明してから玄関に戻り、ゴミムシに「主人です」と言って渡すとゴミムシは
「おい! お前のとこのネコのせいで大怪我したんだ! 慰謝料払え! 払わないとネコぶっ殺すぞ!」と電話口に向かって怒鳴りつけた。
するとゴミムシの顔色がさっと変わった「え? け、警察? 」
はい、そうです。旦那にではなく警察にかけ脅迫を生で聴いていただきました。
しどろもどろになり「いや、違うんですよ! 別にそんなつもりはなくて!」とすこぶる間抜け面でいいわけを始めましたが、もう手遅れ。
やがて到着した警察に連行されていきました。
GJ
二度と帰ってこないと良いねえ
それで第三者に伝わる