10年くらい前に、祖父の家で開かずの間(みたいなもの)を見つけたんだが、その時の体験。
俺が高2の時に、祖母ちゃんを早くに亡くし、1人でデカイ家に住んでたじいちゃんがとうとう亡くなった。
祖父ちゃんは、戦前から鉄工所を営み、その鉄工所はこの町一番の規模で有名だった。
天皇陛下に瑞宝章を賜った、町の有名人。
住んでる家も、木造だがかなりデカく、俺等 孫はよく遊びに行ってた。
祖父ちゃんの49日が住んで、祖父ちゃんの書斎を整理する事になり、親戚一同が集まった。
男手も必要だということで、俺も参加させられた。
書斎の本棚には、鉄鋼関係の古い専門書やアルバム、釣りの本でぎっしり。
それらを本棚から出し、一ヶ所に集め、親戚の叔母さん達が何やら振り分けてる。
今度はその巨大な本棚を、男連中(伯父さん達や俺)が屋外に出すということで、5人がかりで動かしたんだが、その本棚の裏に小さな引き戸があった。
その引き戸は、横1m×縦1m30cmくらいで、取っ手がどこにもなかった。
その引き戸、親戚みんな初めて知ってみたいでザワザワしてたんだが、伯父の一人が「開けよう」と言い出した。
みんな気味悪く思ってたけど、伯父は興奮した様子で「あの親父が、何かお宝隠してたのかな? 何か出てきたら鑑定団に出してみようw」とか言いながら、隙間にL字型の金属の定規を差し込み、無理やりこじ開けた。
みんなが固唾を飲んで覗いたら、そこには日本刀が1本祀られてた。
無造作に置かれた感じじゃなく、台に刺さった鹿の角に飾られて、台の前には白い徳利のようなもの2つとボロ布が敷かれて、まさに「祀ってある」感じだった。
その日本刀だが、カビか何かで黒く汚れた御札(だと思う)が3枚、鞘に巻きつけるように貼られてたんだ・・・