息子は珍しいくらいよく寝ていた。
新生児と荷物を抱えてベンチにへたり込む女。
異様だろうに、知らないおばちゃん達が優しくしてくれた。
息子を「守るべき存在」としては認識していたけれど、いろいろ感覚が麻痺して「可愛い」とは感じなくなってきていた。
でもおばちゃん達に「なんて小さくて可愛いの」と口々に言われ、なんかいろいろと楽になった。
疲れや不安や義務感という余計なものが取り払われて、可愛さが見えたというか。
親が来てくれて、今は実家にいる。
両親だけじゃなく、祖父も、怪我をしている祖母も、温かく迎えてくれた。
背中を撫でてくれた祖母の手が温かくて、声を上げて泣いた。
スマホには義実家からの着信がたくさんあって、ゾッとした。
また鳴った時、動けなくなった私に代わって、父がスピーカーモードに変えた。
母が
「娘に何をしたか聞きましたよ?」
と言うと
「世のお母さん方がしている程度のことしかお願いしていませんよ、嫌だわ」
と義母の声が聞こえた。
私から見て、母は口が立つ方ではない。
おとなしく優しく、ひたすら癒し系の女性だ。
でも、母は怒鳴った。
「世のお母さん方が臨月で新生児の世話をしてるというの? 新生児がいるのに臨月なわけがないでしょう! あなた方は2人分の、しかも女性の一生の中でも特に辛いはずの時期の2人分の役割を娘に押し付けた! それを反省もしていないんですね!」
423: ◆NyauiXKN/6 2016/06/04(土) 23:57:25.98
夫の声がした。
「ちょっと母や妹が頼み事をしただけです。嫁子さんが産褥期の女性だから不安定で、だから騒いでしまってるだけです。話せばわかりますよ」
父が参戦した。
「言葉で身を立てている娘が、青ざめて一言も発していませんよ。娘から言葉を奪ったあなた方を、我々は許しません」
祖父が頭をぽんぽんしてくれた。
祖母が私を守るように抱きしめてくれた。
愛されてる。
なぐられたり蹴られたりしてるし、まずは明日、病院に行って診断書を取ってくる。
私をこんな目に遭わせた義実家を、そこに放り込んだ夫を許すわけにはいかない。
生まれて最初に過ごした家があんな場所で、息子にも申し訳ない。
これからは穏やかな場所を私が作る。
長いのに読んでくれてありがとう。
おやすみ。
424: 名無しさん@HOME 2016/06/04(土) 23:59:50.01
おやすみー、ゆっくり休みな
426: 名無しさん@HOME 2016/06/05(日) 01:16:28.83
おやすみ
もう大丈夫だよ
ここは2chだから荒らされるかもしれないけど、あなたはもう守られてるからね
427: 名無しさん@HOME 2016/06/05(日) 02:00:29.18
お大事にね、大丈夫だよ、本来只々ゆっくり身体を休めるだけでいい立場なんだよ
安心して息子さんと自分の身体と心を守ってね