夫の言葉に一瞬固まるA男。
ここから夫のターン。
夫「ていうか、自分が履いて汚した下/着や靴下を誰かに洗ってもらうって何か嫌じゃないですか?俺は嫌だなぁ」
夫「さっき女は男に尽くすべきって言ってたけど、それって母親が子供の世話をするのと何が違うんですか?」
夫「『ママが全部やってくれるのが当たり前なのぉ〜』ってのが男としてかっこいいってことですか?」
夫「社訓が『女は男に尽くすべき』だったら企業としてはブラックだと思うんですけど、家庭だと大丈夫な理由って何かあるんですか?」
矢継ぎ早に質問されてA男はあわあわ。
夫は普段無口で無表情だが、ものを言うときははっきりずけずけ言うのでコワモテとは違う威圧感がある。
第一印象は小柄で物静かな夫にマウンティングをかませると思っていたであろうA男にとっては意外なカウンターだったかも知れない。
A男は「男としては」とか「家庭での役割が」とかごにょごにょ言ってたけど、
何か言うたびに夫に「じゃあそれはこういうこと?それともこういう意味?」と終始質問攻めにされ、たじたじになっていた。
(『ママが全部〜』のくだりは地味にダメージを受けたのか、そこの部分だけは必タヒに弁解していた)
帰り道、夫に「A男にすごい反論してたね」と言うと、
「反論じゃない、単純に疑問に感じたことをそのまま聞いただけ」
「俺は一人暮らしが長かったので、自分のことを自分でやらない人間の考え方に興味があった」
「ああまで視野が偏った人間を初めて見た。今日は貴重な体験ができた」
てな感じの答えが返ってきた。