男は、「ほら、カギかせよ。あんたがあけないんだったら、俺があけるから!」
とカバンをひったくろうとします。
やばい、ハンザイまがいのことされるかも!
遅まきながらやっと反撃しようと決めました。
「あなた自分が何やってるかわかってるんですか? 警察呼びますよ?」
そういって携帯を出すふりをしました。
(でも実は携帯もってなかった…。仕事の電話がかかってくるのが嫌だし、あまり携帯を必要としないので)
でも男は
「電話ぁ? すりゃいいじゃん。俺は自分の仕事をまじめにやろうと努力してるだけじゃん。
ほら、呼んでみろよ」
あまりにも悔しかったので、そこで思いつきでこんなこと言ってみました。
「そうですか。あなた真面目な方だからご存知ないかも知れませんが、私の父は○○警察所の○○警視なんですけど(嘘も大嘘)。 でも真面目に仕事してらっしゃるなら電話しても大丈夫ですよね。じゃかけますね」
それを聞くと、男は「チッ」と舌打ちをして階段へ向かって行きました。
何とかしのいだ! と思って、その場で数分待ち、男が帰ってこないようなので自分の部屋に入りました。
大急ぎで管理会社に電話を掛けているとドアがガンッ!!という音がします。
覗き穴(あれ何ていうのかな)から男がこっちを睨みつけ、少しして去っていきましたが、憎憎しげに振り返っていました…。