夫は、最初は私が悪いから離婚したいようなことを言っていた。
「掃除が行き届いてないのがストレス」
→共働きなので、家事は分担している。掃除は主に夫の担当。
「飲みに行ったら締め出されたのがショックだった」
→鍵を落とした日に連絡なしで飲みに行って日付が変わってから帰宅したため、
私はすでに寝ていてインターフォンに気が付くのが遅れた。
などと。
で、おかしいと思って問い詰めたら、不倫相手に真実の愛を見だしたと、
盛大に逆切れしながら喚かれた。
なんでも私との結婚は、毎日プライドをがりがり削られる地獄のような日々
だったんだってさ。
夫の主張によると、
「嫁(私)は「社長の娘」という格上だし、給料は自分より高い、嫁実家からは
金持ちなのを見せつけられる婿イビリまであった、だから(私)が有責」
とのこと。
「財力を見せつけられた」の具体例を聞いてみたら、
・私側親戚から結婚祝いとして贈られた家具が高価なものばかりだった
・私父に連れていかれたレストランが、夫が行ったことのないような高級店だった
とかだった。なにそれ。
私の立場や給料については、見合いの時点で分かっていたこと。
気に入らないなら、見合いの時に「ご縁がなかったようで」で済ませばよかっただろうに。
夫と私は見合いの後一年付き合ってから婚約し、さらに結婚式まで一年かけた。
2年もあったんだから、断るなら、いくらでもできたじゃないか。
私と夫の結婚は確かに政略要素があっただろうけど、私なりに
「一生をこの人と共に過ごしたい」
と思ったから、結婚したんだよ。
それを、結婚生活はずっと苦痛だったって、なんなんだよ、もう。
泣きたくなったけど、夫が露骨な被害者面で涙ぐみながら。
「社長の娘との縁談なんか、断れるわけないだろ!その時点で俺の人生、
詰んでたんだよ!」
と喚くので、意地でも涙を見せたくなくなった。
「社長の娘との見合いを破談にできないのに、結婚後に不倫略奪婚かます勇気は
あるとか、頭おかしいんじゃないの?」
と言ったら、喚き声が大きくなった。
うるさいので、スマホと財布だけ持って、実家に避難した。
両親に事情を話し、父の伝手で弁護士を雇って、丸投げした。
夫からも不倫相手からも、慰謝料を取れるだけ取って、離婚した。
父からは謝られた。
「俺がおかしな男を紹介したせいだ、済まない」
と。
元夫と不倫相手は、父の会社をクビになった。
元夫は「公私混同!」と喚いたらしいが、あっさりと
「当社には不倫するような人間は不要」
と言われたらしい。