私も皆も完全に固まって
ボールの音だけが体育館中に響いているのが異様に思えた。
先生はしばらくして反対側の壁まで転がっていたボールを拾って、
「バスケ始めるぞー」
と何事も無かったように皆に声をかけて授業再開。
皆は静かにバスケを始めて、
自分は何が起きたのか分からないまま
さっきとは別の場所でガタガタしながら
授業が終わるまで見学してた修羅場。
多分代理の先生にも仮病だと思われていて
「サボるんじゃねえ!!」
という意味で投げられたんだと思うのだけれど
いきなり投げるのはどうなんだろう。
下手したらというか普段とろいので
ほぼ確実に顔面直撃だったなと思う。
何で私があのボールを避けられたのか不思議と友達に言われた。
当時家がゴタゴタしていて、
「只でさえ持病で迷惑かけてるのにこれ以上迷惑かけられない」
と家族にはこの話を言った事が無いので知らない筈だと思う。
学校も知らないと思う。
その後は休み時間は大人しくしていたけれど存在感が無くなって、
私の数席後ろでお泊まり会までした友達の
「あたし、○(私)嫌いなんだよねー」
という発言を聞いた。