ウトが死んだ時、半絶縁状態のトメが私達夫婦に、
「一人暮らしは心細いので同居して欲しい」
と言い出した。
以前揉めた時に、トメ自身が私に対して
「私にはコトメちゃんが居るんだから、あんたの世話にはならないわ!」
なんて強気の発言をしてたのに、どういう心境の変化だ?
...と思ったら、コトメの結婚が決まり、
飛行機の距離へ嫁ぐ事になったらしい。
(しかも計画的出来婚らしく、結婚しないという選択はない)
夫は淡々と、今までトメが私にした仕打ちを挙げて、
同居が無理だと説明。
「お袋の顔を見たく無い。今日だって、親父の一周忌だから来た。これからも
法事以外で来るつもりは無い。」
と、とても冷淡に突き放した。
トメはみるみる落ち込んで、涙目で私に
「あなたからも頼んで頂戴」
って縋ってきたので、何か言わなきゃ何か言わなきゃ...と焦り、
「コトメさんの嫁ぎ先について行けば良いじゃないですか!」
と、自分でも思っていない言葉が飛び出した。
トメが一瞬固まったので、
うわ~余計な事言ったかな?
と後悔したが、すぐに
ピコーン!と電球が灯ったみたいに明るくなり、
「あなたに言われるまで思いつかなかった。」
と、手を握られた。