でも、お客様だし、そう手間がかかるものを作るわけじゃないし、
座ってゆっくりしてて下さいと断ったんだけど、是非にとおっしゃる。
旦那が洗い物とかお運びとかしてくれるし、
ほんとに手伝ってもらうような事はなかったけど
トメさんが
「じゃあ長男君(旦那)が洗った食器を拭いて棚に戻してもらっていい?
場所は長男君に聞いてね。ごめんなさいね手伝ってもらっちゃって」と。
義弟彼女はそのとおりにしていたんだけど、
追加の料理をしている私やトメさんをチラチラ見ては何度も
「え?」と驚いた様子で、やがて焦れたように言った。
鶏挽き肉と生姜とネギと調味料をガーっとフードプロセッサーで混ぜた私に
「え、包丁で叩いて混ぜ合わせるんじゃないんですか?」
ごぼうのささがきをピーラーでやってる私に
「え、普通包丁でやりますよね?」
いりこだしの素と鶏がらスープの素を合わせた私に
「え、出汁をとらないんですか?」
ハムやピーマンなんかを調理バサミでさくさく切るトメさんに
「え、包丁を使えないわけじゃないんですよね?」
筍の水煮を開封しようとしているトメさんに
「え、筍の旬って春ですよね??」
挙句にテフロン加工のフライパンで青椒肉絲もどきを作り始めたトメさんに
「え、鉄の鍋じゃないんだ…」