「偽物だと思うなら徹底的に調べろよ!」
と俺がキレ、友達も謝罪しろと迫ったが、意地になった野郎がマジで調べて結局本物だと判明した。
なのに周りは彼女に謝罪せず、盗んだ金じゃないのか、とか言い掛かりまで付け出したので、それからそいつらとは関わりを断った。
彼女は相変わらずどうでもいい、みたいな顔してたけど、俺に高価な贈り物をしたので一部媚びだす人も現れたらしい。
ある時媚びだした二人が彼女に
「今月誕生日だし、時計ほしいなぁ〜」
とおねだり、彼女は「解った」と返し、翌日にはきっちり用意していた。
1000円の時計を。
「高い時計だと価値が解らないようだからね、価値のわかりやすいものにしといた」
とご丁寧に値札までそのまま、こっそりそばで見ていた俺と友人は腹抱えて笑った。
それから一年後、彼女は銀行員という志望していた職をストレートで手に入れて、即就活終了、それを機会に自分にたっぷり金をかけた。
もともと整った顔立ちだとは思っていたけど、くせっ毛にストパーをかけて綺麗にカット、化粧品も買い揃え、メガネをコンタクトに変え、仲間由紀恵みたいに大変身して、ブスだのダサいだの言ってた人らが羨むほどのスペックになっていた。
彼女とは裏腹に、周りは皆苦戦しながら就活、俺も苦労して大手量販店で内定を一箇所決めたんだけど、皆で内定噛み締めていると
「その会社はやめときな」
と彼女が唐突に進言してきた・・・