ふたりで離れないようにして、一部屋ずつ窓を開けて、明るくしてから目を皿のようにして細かく確認したら確かにおかしい。
ソファーカバーに私でも義妹でも互いの旦那でもない長さの髪の毛がついてて、そこのカバーだけが明らかに臭い。
義妹の想像が当たってたのかもと思って旦那に相談して小型の監視カメラを付けた。
そして近くの派出所に事情を話し、何かあったら即対応してもらうように頼んでおいた。
それから一週間ぐらい経って侵入者が逮捕された。
どうやら義父が痴呆初期だった頃に、玄関の鍵穴に鍵をさしっぱなしにしてた事があったみたい。
それを抜いてスペアキーを作って元に戻しておいたらしいんだ。
逮捕された男は40代の浮浪者で、その頃はまだ浮浪者ビギナーだったそうな。
痴呆の独居老人が住んでるのはわかってたし、いずれ空き家になると踏んで様子を見てたらしく、案の定予想通り空き家になってからは、雨の日の夜だけ侵入して寝てたらしいんだ。
時々私たちが天気の良い日に風通しに来てた事も知ってて、かち合わないように気を付けてたらしい。